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文政六銘石造道祖神

2017.05/06(SAT)

文政六銘石造道祖神 日光市上三依
上三依水生植物園附近




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文政六銘石造道祖神
   所有者 (大字上三依)
   寸 法
     総丈    六〇cm
     女子像   二三cm
     男根長さ  一六cm
     蓮台最大幅 三六cm
     光背最大幅 二七cm
 道祖神は、路傍・村境にあって、邪悪のカミの村への侵入をふせぎとめる「ふさぎ」が祖型である。その起りは、奈良時代に求められ、全国的な民俗信仰の一態様である
 この神体は、娘が男根を胸にいだいた姿をいやみなく陽刻したものであって、この姿態の道祖神は栃木県内では全く他に類例をみない。のみならず、群馬県や長野県などに散見できる男女抱擁像などに対比できる全国的にも珍しく貴重なものである
 文政年間の本町では、天明期以来の連続的な飢饉を経て、流通商品の輸送力低下の問題をかかえた問屋を中心とする旧来の運輸体系に、いっそう苦悩の色が深くなってくる。相対的に全国的な身分制のゆるぎ政情不安の中で、経済的に優位に立つ商人層と結んだ仲附が、尾頭道など能うる限りの方向に人馬輸送を行い、その活況が極に達した時期である
 こうした時代背景の中で、上三依村の活況や尾頭峠越え塩原郷との盛んな交流があったこと、さらには、六地蔵など他の石像の建立と併せて幅広い信仰の世界が存在したことを裏づける貴重な一資料といえる
 このように、「文政六年」と本体の造立年代が判然としていることが、本町史上の背景的なことがらと併せて、本体の資料的価値を高からしめているといえる
     昭和六十一年九月 日光市教育委員会
--現地の案内板から--
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※ 文政六年(1823)の出来事;ドイツ人シーボルトがオランダ商館員として来日



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