南部宮古湾の凶変 2/2

2016.03/07(MON)

慶応戊辰奥羽蝦夷戦乱史 蝦夷の巻(第三巻)
近代デジタルライブラリー




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蝦夷の巻(第三巻)
【コマ 438】
南部宮古湾の凶変 2/2
 夫れ回天は単身一個、西軍根拠地に深入するは何事ぞ、飛んで火に入る夏の虫、それ何事をか為さむとする、既に大膽とは云はむか、或は拙劣と駄評を進呈せむか。然れども事茲に至る。然らば如何にして、軍艦其ものを奪取するの目算なりしか、願くば手段方法に付きて、詳細なる説明を承り度き感なきに非ず。其の大膽なりし気勢も、今は息も絶え/\、遁れ/\て海洋の茫中に難を救ひ、斯く北国指して遁走する、その後姿こそ見たきものなりき さは云ふものヽ、蝦夷海軍が艦体を動かすに、進止の運用手足の如く、巧妙なる見るべきなり。回天も遁れ来りて南部八戸鮫浦沖に到るや、折しも先日の暴風に押し流されし蟠龍艦は、此所に漂泊して回天を案じ居るもの。今や回天の戦報を聞くに及んで、唯だ残念と大□して、北行に決す。二十七日に至りて、漸く函館港に入津するを得たり。依て敗報を五稜郭に送る。
 然るにその二番回天の事たる、漂流後漸く損傷を修理して、北航の途にありけるが。折しも回天を尾撃して、帰途に就く西軍艦隊と、沖合に遭遇したりけり。砲戦激闘、衆寡敵せず、二番回天も進退谷まり、汽力を強めて勇往邁進、弾丸費ひ尽して、南部領野田郡尾元村海岸に遁れ来れば。後背は既に西軍艦隊の肉迫する所、波を蹴って益々砲撃す。茲に於て、最早為す可らざるを知りて、隊士を悉く上陸せしめ、火を発して破船したり。依て上陸の蝦夷軍は往いて盛岡藩に降を乞ふ。憐なるかな蝦夷艦隊、甲鉄奪取に大勝を目
【コマ 439】
算して、昇天の気を吐きし過去は、却て二番回天を亡失するに至る。回天艦長甲賀源吉、軍艦役矢作平三郎等討死し、新撰組長相馬主計、神木隊長酒井良佐、教師ニコール等負傷したり。西軍死傷は戊辰艦を以て、東京に送りしと云ふ。
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--引用・要約;「慶応戊辰奥羽蝦夷戦乱史」/近代デジタルライブラリー--
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慶応戊辰奥羽蝦夷戦乱史(目次)(2016.02/22)



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by mo20933 | 2016-03-07 11:26 | その他>その他 | Comments(0)