徳川脱藩浪人(大鳥圭介/激文)

2016.02/29(MON)

慶応戊辰奥羽蝦夷戦乱史 奥羽の巻(第ニ巻)/徳川脱藩浪人
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 以下、大鳥圭介が起草したと云う「檄文」である
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奥羽の巻(第二巻)
【コマ 240】
徳川脱藩浪人
(略)
官賊、奸謀ヲ逞シテ、徳川大君ヲ朝敵ニ陥レ、封土城郭兵器悉グ奪ヒ、臣子ヲ以テ君父ヲ討タシム。決シテ公明正大ノ王政ニ非ス。况ンヤ、今上御幼冲、叡慮ニ出テサル事天下衆人ノ識ル所、必竟、彼等ノ所為ニシテ、朝廷ヲ奉欺所ナリ。
官賊、先日尊攘(尊皇攘夷)ヲ主張シナガラ、今日既ニ皇室ヲ軽侮シ奉リ、朝憲ヲ乱シ、人倫ノ大義ヲ破リ、外夷ニ媚ヲ献スルニ至る。其反覆表裏、売国ノ賊タルコト明カ也。諸藩主、是ヲ諌事スルモノナキノミカ、却ツテ悪ヲ助クルハ抑々何事ソヤ。嗚呼、悲哉。皇国ノ正気泯滅シ、外国ニ併呑セラルヽ期遠カラス。夫レ、大君、一己ノ私ヲ去リ、皇国百万生霊ノ為メニ社稷ヲ惜マス、三百年ノ基業ヲ一朝ニ抛チ、水戸ノ僻邑ニ退隠ス。大君ハ真ニ仁者ト云フヘシ。僕等、譜代恩顧ノ臣トシテ、泣血奉命主家ノ顚覆ヲ救ハス、賊手ニ一矢ヲモ投セス、オメ/\ト脱走スルコト、士道ノ耻辱。先朝孝明天皇及ヒ徳川氏祖神ニ対シ、地下ニ謝スルノ辞ナシ。然ルヲ僕等忍ヒテ命ヲ全フシ、暫ク浮浪ノ徒ト為スルト雖モ、皇国ノ人民タリ。何ソ、売国不義ノ賊ト倶ニ、天ヲ戴クニ忍ヒンヤ。唯々、節ニ死シテ後止マンノミ。待ツヘシ、不日官賊を屠リ、且ツ之ヲ助クル藩主ノ不義ヲ問ハントスルヲ。之レ僕等ノ私ニ非ス。報国盡忠鋤奸ノ義挙タリ。此時ニ當リ、錦旗、天地ニ翩飜スルモ必ス踏躪スヘシ。錦旗、素ヨリ人手ニ成リ。賊手ニ在リテハ賊手ニ動ク、賊旗、何ソ恐ルヽニ足ランヤ。大公、至正志謄義烈。徳川浪士、皇国ノ為メ売国不義ノ賊ヲ誅鋤ス。即チ天兵也。
天兵起ルノ日、兼テ同盟諸藩君臣四方ニ応援協力スヘシ。却ツテ機会ヲ失ヒ、汚名ヲ千歳ノ下ニ残ス勿レ。
依テ激ス。
【コマ 241】
     慶応四年四月     徳川脱藩浪士共

 徳川浪士の檄文、それ右の如し。一読三嘆、何そ猛烈の立論なるぞ。さわ云ふものヽ、これ今日に於ての驚嘆なり。飜つて往時を推回するあらむか、徳川浪人の意中たヽ薩長を憎むのみ。然ればこそ斯る檄文も草し得べけれ。光陰矢の如く戦後将に五十年、今日此所に晒け出す、それ或は趣味あらむ。本書は関東浪人軍の総督将大鳥圭介が、麾下浪士を狩り集めるに當りて、その非凡と才と気焔とに依りて、自ら起草したるものなりと云ふ。圭介、得て大胆不敵の言論を吐く者也。斯る筆鋒を以て麾下を督する限りは、當時の雷同不平浪人たるもの、図に乗らざるを得ざるは勿論、錦旗に対して発砲するも、敢て怪まざりしは、素より其所と云ふべし。
--引用・要約;「慶応戊辰奥羽蝦夷戦乱史」/近代デジタルライブラリー--
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慶応戊辰奥羽蝦夷戦乱史(目次)(2016.02/22)
栃木、福島の戊辰戦争 1/2 (2013.12/01)



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by mo20933 | 2016-02-29 12:12 | その他>その他 | Comments(0)