(一)蝦夷地割拠の約盟

2016.02/23(TUE)

慶応戊辰奥羽蝦夷戦乱史 蝦夷の巻(第三巻)/脱藩軍団の蝦夷侵略
近代デジタルライブラリー



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↑写真;著者佐藤浩敏
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【コマ 413】
蝦夷の巻(第三巻)/脱藩軍団の蝦夷侵略
(一)蝦夷地割拠の約盟
 仙台藩の降順に続えて、臨終戦の不能は来りぬ。然らば榎本武揚の果断は如何、思ひは巳れ此黒幕となり、首謀者となりて、群かる徒党を望み見ては、豊慨然たらざるを得ざるなり。脱藩の浪人、事茲に至りて、薩長の天下に最早身の容るべき地なしとて、悄々沈々嘆声熟腸より発す。夫れ或は然らむ。
 時に海上の黒船会議は開かる。開陽艦上の秘密会議、これには榎本武揚を座長に小笠原壱岐守、松平定敬、大鳥圭介、松平太郎、土方歳三、荒井郁之助、永井玄蕃頭等の脱人巨頭、今や論議汲々として、浪人救済の善後策なり かくて黒船会議は論議一決して曰く、我等脱藩残党の一団は、愈所期の蝦夷地割拠を断行するに如かしと。而して万丈の気を吐いて浪徒に臨むらく、よし奥羽大敗にありと雖も、榎本がオランダに修めし海事の兵法は、この乱麻に活用して天下の耳目を破らむ、然らば大鳥及び土方は陸軍を動かし、榎本の海軍と共に蝦夷地に拠らむか、海陸の権力を握りて、彼地を掌中に収むる難きに非ず、然らば何ぞ薩長の天下に屈服するの要あらむやと。茲に於て、天下無類の大望は、浪人結束して、大膽なる約盟は成りたり。
【コマ 414】
賊臣、天下ニ横行シテ豪慢無礼、吾等ヲ目シテ夷狄ト為シ、賊名ヲ以テ、叡慮ノ恩恵ニ阻隔シ、奴隷以テ飢餓自滅ヲ計ルヤ必セリ。願レハ吾等ハ徳川ノ余恵ニ栄華ヲ受ケ、一族家臣挙ケテ家名ヲ維持シタル士族ナリ、吾等浪人国ヲ脱シテ主ナク、郷ヲ脱シテ土ナク、郷家ハ将ニ賊臣ノ手ニ落去セリ。今日賊臣ノ配下ニ在リテ、食スルニ最早一粒ノ粮米ナシ、何ヲ以テカ爾後ノ余命ヲ支エンヤ。吾等是ニ見テ大同団結シ、愈本土ニ永別シテ、暫ク蝦夷地ニ身ヲ忍ハセ、未開ヲ拓キ、不毛ヲ耕シテ、生計ノ道ヲ立テ、天下幾万脱藩同士相提携シテ母国ヲ造リテ富強ヲ計ルニ、賊臣残虐ノ手ヨリ脱退スルニ如カス。
然ラハ是ニ賛スル義約ノ士族ハ、一身同体蝦夷地ヲ警備シ、賊臣ヲ誅シ、君側ヲ清メテ、皇恩ノ難有キニ盡忠奉公ノ寸志ヲ貫カントス
   明治元年九月二十七日
 約書是なり。如何に残虐の薩長なりとて、浪人自滅を計るが如きは是なかるべしと雖も、・・・
(以下、略)
--引用・要約;「慶応戊辰奥羽蝦夷戦乱史」/近代デジタルライブラリー--
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慶応戊辰奥羽蝦夷戦乱史(目次)(2016.02/22)



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by mo20933 | 2016-02-23 19:55 | その他>その他 | Comments(0)